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ブロック・システムを詳しく解説!リードブロックとコミットブロックの違いとは?

 2019/04/20 練習メニュー
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高いレベルのチームだけが使えるバレーボールのブロック・システム。

バンチやスプレット、リードやコミットやなど近年のバレーボールのブロックはシステム化されています。

この記事は、それぞれのブロックの意味と、どんな時にそのシステムを使うのかについて詳しく解説しています。ぜひ最後までお付き合いくださいね!

 

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バレーボールのブロックのシステムとは?

ブロックのシステムについて説明していきます。ブロックのシステムは、国際大会などで攻撃方法が複雑になっていくことで、それに対応するためにいろいろ考え、考案されてきました。

以前は攻撃がわりと単調だったため、ブロックは今でいうスプリッド・システムでコミット・ブロックでした。今でも相手の攻撃がそれほど複雑でない場合は、この方式が多くみられます。

 

バレーボールのブロックの役割とは?

ブロックのシステムの前に、ブロックの役割について確認しておきましょう。まず大切なのはこの2点です。

  • 相手のスパイカーが何名か(後衛も含む)
  • 相手のセッターが前衛か?後衛か?

 

ブロックをする上で大切なこととは、どのブロック・システムでもサーブが打たれる前に、相手のスパイカーが何名なのか、セッターがフロントなのかバックなのか確認しておくことです。

さらに相手のスパイカーの背番号まで、フロントにいる決まった人間が声を出して指示することが必要です。(ブロック・キャップテンとも呼ばれます。)

 

ブロックの指示の方法

多くの場合、この役目はフロントのセンターポジションの選手が受け持ちます。「セッター前5番、スパイク3番・4番、バック9番」「セッターバック、スパイク2番・3番・4番、バック9番」などと声を出して、指示します。

 

ブロックに飛ぶ人の役わり

ブロックに飛ぶ人は、ネットに近いボールを特にしっかりブロックしましょう。

ネットに近いボールは、ブロックにとばないと、相手のスパイカーが触っただけでネット近くの味方のコートに落ちて、とてもレシーブしにくいボールになります。

ネットに近いボールをしっかりとブロックに行くことで、ブロックポイントにつながったり、味方のレシーブを助けたりします。

 

離れたボールはブロックしない

相手のスパイクで、離れたボールは無理にブロックしない方がいいです。離れたボールは、ブロックにあたるまでに時間がかかるので、ふつうのタイミングでブロックに飛ぶと、ちょうど降りぎわに手にあたります。

この時、腕を下げるのと一緒にボールを吸い込んでしまい、相手のポイントになる確率が高いです。また、ブロックに当たって、ブロックアウトになることもあります。

 

ネットから離れたスパイクはブロックのタイミングがとても難しいので、ブロックに飛ばず、レシーバーに任せた方がいい場合がほとんどです。レシーブでひろって、次の攻撃につなげましょう。

 

小学生のブロック

小学生の場合は、ブロックに飛べる選手がなかなかそろわないこともあります。

攻撃も強いスパイクがくることが少ないので、1枚ブロックにして残りの5人でレシーブして、レシーブの穴を作らないことも有効です。

 

スプリッド・リリース・デディケート・バンチ・ブロックの違いとは?

これらのブロッキングシステムは、ブロッカーの配置による違いです。チームとして戦術的に使われます。これらのブロックのシステムは大きく分けると次の4つです。

  • スプリッド・ブロック
  • リリース・ブロック
  • デディケート・ブロック
  • バンチ・ブロック

 

スプリッド・リリース・デディケート・バンチ・ブロックなどこれらのシステムは、高いレベルのチームがよく使うブロック・システムです。

これらは、相手の攻撃に対応して有利と思われるブロック3名の待つ位置の違いによって、名前がついています。では、それぞれのブロッグ・システムの違いについて見ていきましょう。

 

スプリッド・ブロック(Spread Block)

スプリッド・ブロックとは、ブロッカーが3名、レフト・センター・ライトとはなれて待つシステムです。サイドへの平行トスや、Bクイック・Dクイック(ブロード攻撃)などのコンビネーション攻撃を多用するチームに有効です。

基本的にセンターの攻撃がないものとして、レシーブの上がった場所から攻撃できる場所を予測。先に移動してブロックに入ります。例えば、相手のサーブレシーブが乱れて相手のレフトからしか打ってこない、こんなケースのときです。

 

身長のひくい選手の場合でしたら、少し遅れながら腕はスイングしながら飛ぶことで、より高い位置まで手を伸ばすこともできます。

相手の攻撃が単調なときは、ブロックに飛ぶ2枚のブロッカーの手がきちんと4枚並ぶように飛んでください。ブロックの間からこぼれたボールは取りにくいので、注意しましょう。

 

2枚のブロックを、相手のスパイクに合わせてしっかりとタイミングをとって、ブロックに行くことが大切です。相手のトスの高さを見て、どこまで手をそろえなければいけないか練習してください。

 

リリース・ブロック(Release Block)

リリース・ブロックとは、ブロッカーが1名レフトかライトの前で待ち、あとの2人はセンター付近でセンターの攻撃に対してブロックをするように待つシステムです。

一般的には、スプリッドブロック・システムと合わせて、このシステムが使われることが多くなります。相手の攻撃がレフトと、それ以外の攻撃に特定できるようなときには有効です。

センター付近に2名のブロッカーがいるので、相手のセッターがフロントのときの、ツーアタックに対しても対応できます。

 

デディケート・ブロック(Dedicate Block)

デディケート・ブロックとは、相手の攻撃が片方にかたよっている場合、そちらの方向に3名ともまとまって待つシステムです。

相手の攻撃がレフトしかないという場合などで、3枚ブロックをねらうこともできます。ただし、レフトのみに注意すると、セッターのツーこうげきに対応が遅れることもありますので、注意が必要です。

 

バンチ・ブロック(Bunch Block)

 

バンチ・ブロックとは、ブロッカー3名がセンターを中心に、3名ともまとまって配置するシステムです。

相手の攻撃がA・Cクイックなど速攻に効果が高いシステムであり、同時にサイドからのオープン攻撃にも対応できます。

 

サイドからのオープン攻撃には3人、あるいは2人がサイドへ移動してブロックします。レフト、センター、ライト、それに加えてバック攻撃もあるような場合に有効です。

 

サーブレシーブやチャンスボールから、はじめのパスを受ける相手のセッターの位置やクセなどから相手の攻撃を予測します。そしてトスが上がったところにすばやく移動して、ブロックにつきます。

 

ここまでスプレッド・リリース・デディケート・バンチ・ブロックなどのブロック・システムについて紹介してきました。

実戦では、配置とジャンプのタイミングの組み合わせによってシステムを構築し、相手の攻撃に合わせてその時々で変更していきます。

次の章では、チームの戦術として使うブロッキングシステムについて紹介していきます。

 

コミット・ブロックとリード・ブロックの違いとは何?

リードとコミットはいずれもクイックに対するブロックのテクニックで、ジャンブするタイミングによって分けられます。

チームで戦術として行うブロック・システムは次の2つです。

  • リード・ブロック
  • コミット・ブロック

 

簡単にいえばリード・ブロックは、相手のセッターがトスを上げるのを見てからジャンプすることです。

それに対してコミット・ブロックとは、クイックを打つスパイカーとほぼ同じタイミングで跳び、空中で待ち伏せしてブロックする方法です。

では、リード・ブロックとコミット・ブロックの違いについて説明します。

 

リード・ブロック (Read Block)

リード・ブロックとは、相手のセッターがトスを上げたところを見て、スパイカーが打とうとしているコースに飛ぶブロックです。

遅れながら飛ぶことが多いので、ワンタッチを主にねらって飛びます。ワンタッチすることで、レシーブを容易にすることを主な目的とします。

 

リード・ブロックが必要な場合は、相手の攻撃がバックアタックも含めて4枚か、3枚などのように、ブロックが付ききれないようなときに使う方法です。

レフトへの速い平行などの場合には、センターがリードで遅れながらでもついていくのも有効です。

 

センターが遅れながら飛んで、相手のスパイカーがクロスにはだれも飛んでいないと思ってそこに打った場合、遅れて飛んだセンター・ブロッカーにかかることもあります。

あきらめずにブロックにつくことが大切です。また、相手のスパイカーをかく乱するため、意識的に使うこともあります。

 

速いクイック攻撃(A・B・Cクイック)などの場合は、リード・ブロックでは遅れてノーマークで打たれることもあります。

逆にAクイックなどでも、遅いAクイックでしたら、リード・ブロックでも十分ついていけます。

 

リード・ブロックのできる条件とは?

リード・ブロックは、身長のある選手であることと、瞬発力と移動のスピード、相手のボールや選手の動きをしっかり見る(読む)ことのできる選手でないと成功しません。

身長の低い選手の場合、トスの上がったところを見て飛ぶのでは、手がネットから出る前に打たれてしまうこともあり、身長の低いチームでは使いにくいシステムです。

 

コミット・ブロック(Committed Block)

コミット・ブロックは、相手のスパイカーの位地を確認して、おそらく攻撃がくるだろうという場所に飛ぶブロックの方法です。

高いオープン攻撃や、速いクイック攻撃(A・B・Cクイック)、ライトへのブロード攻撃などにも、しっかりと相手の動きを見ていれば有効です。

 

相手の攻撃が速いコンビネーションなどの場合、完全にノーブロックで打たれることも起きてしまいます。セッターがどこにトスを上げるのか、はじめのパスや相手のスパイカーの動きなどをしっかりと目の中に入れることが必要です。

これに加えて、相手の攻撃を予測する能力も必要です。

 

以上、リード・ブロックとコミット・ブロックについて紹介してきました。実際は、相手の攻撃パターンが分からない間はリード・ブロックを使い、クイック攻撃が増えてきたらコミット・ブロックで飛ぶなど、試合の流れの中で変更することも多いのがポイントです。

 

ブロック・システムと連携したレシーブ(守備)とは?

基本的には、しっかりとブロックがついている状態の空いているところから、飛んできたボールをレシーブすることです。

ブロッグ・システムとレシーブは、味方の選手の状況と相手の攻撃の種類、スピード、破壊力などによって使い分ける必要があります。

 

ゆっくりした攻撃のブロックとレシーブ

相手がゆっくりとした単調な攻撃をしてくるのであれば、しっかりブロックが2名ついて、空いたコースワンタッチのボール、フェイントをカバーすればよいでしょう。

 

速い攻撃のブロックとレシーブ

では、相手が速い攻撃はどのように対応したらいいでしょう?

相手が速い攻撃を行ってくるのであれば、システムを変更しながら対応することが必要です。これも、自分のチームの身長や、瞬発力などの状況をよく知ったうえで対応する必要があります。

 

たとえば、それほど身長の高くないチームの場合でしたら、両サイドのブロックを少し中に入れてストレートをあけることで、移動の距離がみじかくなるので、ブロックは飛びやすくなります。

これとともに、空いたストレートにレシーバーが構えるといった連携が必要です。

 

また、ブロック2名の腕が離れる場合もあります。逆にブロックの間隔をあけて2名がブロックに飛び、その真ん中をぬけてくるボールを待つ方法(Split blockスプリット・ブロック)もあります。

ブロックとレシーブの連携はまだまだありますが、それぞれをしっかりと意識し、チームとしての役割を考えてブロックやレシーブの位置に入ることが大切です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ブロックのシステムについて、個々のシステムとチーム戦術としてのシステムを紹介してきました。

ブロックのシステムは、チームにどのような選手がいるかという事で、そのレベルで柔軟にシステムを決めていく必要があります。

 

全日本のように、必要な選手を集められるわけではありません。集まった選手でチームを作るわけですから、理論だけが先回りしないようにすることが大切ではないでしょうか。

 

初心者、中級のバレーボーラーは、言葉として「そういうブロックのシステムもあるのか。」程度で十分だと思います。あなたがさらに上のレベルに上がった時、しっかり練習してください。

 

 

鎌田 聡
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鎌田 聡

鎌田 聡

スポーツ少年団指導歴18年、現在は約90名の複合型スポーツ少年団の事務局長を務めています。またスポーツ推進委員歴10年の経験をいかし、主にバレーボール関連のスポーツライターに。自身もバレーボール歴34年の経験を持ち、バレーボール全般に精通。常に読者目線でバレーボールに関する情報を発信するよう心掛けています。読者の皆さんとともにブログを作っていきたいので、質問やコメントなどドシドシください!お待ちしておりま~す!

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